【徹底検証】ランドクルーザー70受注再開(再再販)をKINTOで攻略する究極のガイド:納期・価格・維持費の真実を完全網羅
2023年、待望の「再再販」を果たしたランドクルーザー70(GDJ76)ですが、その市場環境は極めて異常です。正規ディーラーでの受注停止、倍率数百倍の抽選、そして新車価格480万円に対し中古車市場では800万円前後という常軌を逸したプレミア価格での取引が横行しています。
しかし、この絶望的な状況下において、唯一「定価」かつ「3〜4ヶ月」という現実的な納期で新車を手にするルートが存在します。それがトヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」です。本レポートでは、なぜKINTOだけが特別扱いされるのかという業界の裏側から、3ナンバー化による維持費の変化、ディーゼル×ATの実燃費、そして「所有」対「利用」の最終的な損益分岐点までを徹底的に検証します。感情論を排し、数字とロジックでランクル70のある生活を実現するための戦略を提示します。
ランドクルーザー70を取り巻く「狂騒」の市場分析
ランクル70の「再再販」が引き金となったパニック
1984年の誕生以来、地球上のあらゆる悪路を走破し、生きて帰還することを至上命題として開発されてきたランドクルーザー70シリーズ。日本では2004年に販売終了、2014年に期間限定で復活(再販)、そして2023年11月、カタログモデルとして「再再販」が開始されました。

しかし、この復活劇は発売前から異常な熱狂を呼びました。
その背景には、昨今の「空前のアウトドアブーム」や「クロカンSUV回帰」といったトレンドだけでなく、ランクル70自体が持つ資産価値への過度な期待がありました。2014年モデルの中古車相場が新車価格を上回る推移を見せていたことから、「買えば儲かる車」として転売目的の層(リセールバリュー狙いの層)が殺到したのです。
結果として、発売日には全国のトヨタディーラーにオーダーが集中。多くの販社で「抽選販売」や「既存顧客限定」、さらには「受付開始即日の受注停止」という異例の事態となりました。メーカーであるトヨタ自動車も、月販基準台数を400台と設定していましたが、需要はその数十倍に達しており、物理的な生産能力を遥かに超えるバックオーダーを抱えることになったのです。
ランクル70 800万円の壁:中古車市場の異常性
正規ルートでの購入が事実上不可能となったことで、需要は即納可能な「登録済み未使用車」や「低走行中古車」へと流れ込みました。ここで発生したのが、経済合理性を無視した価格の高騰です。
| 車種・グレード | 新車メーカー希望小売価格 | 中古車市場相場(2025年時点) | 乖離額(プレミアム) |
| ランドクルーザー70 (AX) | 約480万円 | 700万〜800万円 | +220万〜320万円 |
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上記の表が示す事実は残酷です。新車であれば480万円で購入できる車両に対し、市場では700万円から800万円というプライスタグが付けられています。

これは車両の本質的な価値(性能や装備)に対する対価ではなく、「今すぐ乗れる」という時間的価値と、「希少性」に対する投機的なプレミアムです。
この価格で購入することのリスクは計り知れません。もしメーカーが増産体制を整え、受注を再開した場合、あるいはKINTOなどのサブスクリプション利用が普及し「利用する」層が増えた場合、このバブル価格は一気に崩壊する可能性があります。800万円で購入した車両が、数年後に本来の価値である300〜400万円程度のリセール評価に戻った場合、オーナーは一瞬にして数百万円の含み損を抱えることになります。これは、資産防衛の観点からは極めて危険なギャンブルと言わざるを得ません。
ディーラーの苦悩と「見えない行列」
2025年現在においても、多くのトヨタディーラーではランクル70の新規受注を受け付けていません。これは「売りたくない」のではなく、「売るための弾(生産枠)がない」からです。既に受注した分(バックオーダー)を消化するだけで2〜3年を要すると言われており、これ以上注文を受けても納期の約束ができないため、オーダーストップを継続せざるを得ないのです。
ユーザーは「いつ再開するかわからない」列に並ぶことすら許されず、ただ指をくわえて中古車サイトの高額車両を眺めるか、諦めるかの二択を迫られています。

この不健全な状態こそが、現在のランクル70を取り巻く「異常事態」の正体です。
KINTOという「特権」:なぜサブスクなら買えるのか?

閉ざされた門を開く「KINTO専用枠」の正体
正規ディーラーで門前払いを受けたユーザーが、なぜKINTOのWEBサイト経由であれば、いとも簡単に契約まで進めるのでしょうか。ここに、自動車業界の構造的なカラクリが存在します。それは「KINTO専用の生産・供給枠」の存在です。
トヨタ自動車は現在、モビリティカンパニーへの変革を掲げ、車を「売る」だけでなく「利用してもらう」サービス、すなわちKINTO事業の拡大に社運を賭けています。そのため、人気車種であっても、あるいは人気車種だからこそ、KINTO向けの生産枠を別腹で確保する戦略を採っています。
- 一般販売枠:各都道府県の販社(ディーラー)に割り当てられる。過去の販売実績などにより配分が決まるが、圧倒的に数が足りない。
- KINTO枠:メーカー(トヨタ自動車)直轄の枠として確保されている。販社の在庫事情に左右されず、全国一律で供給が可能。
この構造により、地元のディーラーで「抽選に外れました」「次はいつになるかわかりません」と言われた直後に、スマホでKINTOに申し込めば「審査通過、納期3〜4ヶ月」という通知が届くという逆転現象が起きています。これは決して裏技ではなく、メーカーが用意した「公式のファストパス」なのです。
転売ヤーを排除する「鉄壁のガード」
KINTOでランクル70が提供され続けているもう一つの重要な理由、それは「転売の完全阻止」です。
前述の通り、ランクル70の需給逼迫の一因は、転売目的の購入者にあります。しかし、KINTOは「サブスクリプション(リース)」契約であり、契約期間満了時には車両を必ず返却しなければなりません。ユーザーに所有権はなく、契約終了後に車両を買い取るオプションも存在しません。
つまり、KINTOで契約する限り、車両をオークションに流して差益を得ることは100%不可能です。

メーカー側からすれば、KINTO枠で出荷する車両は、確実に「転売ヤー」ではなく「純粋なユーザー」の手に渡ることが保証されます。
また、数年後には確実に良質な中古車(ワンオーナー・メンテナンス履歴明確)として自社のネットワーク(認定中古車など)に戻ってくる資源でもあります。この「循環の健全化」こそが、トヨタがKINTOへ優先的に車両を回す最大の動機であり、ユーザーにとっては「定価で乗れる」という恩恵の源泉となっています。
納期の実態:3〜4ヶ月というスピード感
2025年時点の最新の納期情報によると、KINTOにおけるランドクルーザー70(AXグレード)の納期目処は「3〜4ヶ月程度」と公表されています。
これは驚異的な数字です。一般的な量産車であるカローラやヤリスと同等、あるいはそれ以上の早さです。通常の購入ルートでは「年単位」の待機が常識となっている中で、季節一つ分待つだけで納車されるというのは、もはや別次元の話です。
例えば、春に申し込めば夏のアウトドアシーズンに間に合い、秋に申し込めば冬の雪山シーズンに間に合う。この「計画的なカーライフ」を実現できるのは、現状では高額な中古車を買うか、KINTOを利用するかの二択しかありません。そして、そのコスト差は歴然としています。
徹底比較シミュレーション:KINTO vs 購入(ローン・現金)
最も重要なのは、感情論ではなく「金銭的な損得」です。ランクル70を維持するには多額の費用がかかります。ここでは、若年層(20代後半)と中年層(40代)のモデルケースを想定し、3年間乗った場合の総支払額を徹底的にシミュレーションします。
ランクル70特有の維持費の重さ
シミュレーションの前に、ランクル70特有のコスト要因を理解する必要があります。
3ナンバー登録(乗用車扱い)への変更
かつてのランクル70(バン)は1ナンバー(貨物)や4ナンバー登録が主でした。これらは自動車税が安い反面、車検が毎年必要でした。しかし、再再販モデル(GDJ76)は3ナンバー登録となりました。
- メリット:車検が初回3年、以降2年毎になる。高速道路料金が普通車料金になる(1ナンバーは中型車料金で約2割高い)。
- デメリット:自動車税が高くなる。2.8Lディーゼルの場合、排気量2.5L超〜3.0L以下区分となり、年額51,000円(※環境性能割等は考慮せず標準額)。重量税も車両重量2.3トンのため高額です。
消耗品コスト
- タイヤ:265/70R16という大径タイヤを装着しており、スタッドレスタイヤ等を揃える場合、ホイールセットで20万円近い出費となります。
- オイル・AdBlue:6〜7リットル近いエンジンオイルに加え、定期的なAdBlue(尿素水)の補充が必要です。
任意保険料の高さ
車両価格が高く、盗難リスクも高いランクルの場合、車両保険(一般条件)を付帯すると保険料は跳ね上がります。特に等級の低い若年層では、年間20万円〜30万円という見積もりが出ることも珍しくありません。
シミュレーション前提条件
- 車両:ランドクルーザー70 AX(約480万円)
- 期間:3年間
- 比較対象:
- 通常購入(銀行ローン):金利2.5%、頭金なし、36回払い、ボーナス払いなし。
- KINTO(初期費用フリープラン):3年契約、ボーナス払いなし。
コスト比較:25歳(6等級・新規)の場合
ここが最大のポイントです。若年層が憧れのランクルに乗る際、最大の障壁は「任意保険」です。
| 項目 | 通常購入(ローン) | KINTO(3年プラン) | 差額・備考 |
| 頭金・初期費用 | 300,000円(諸費用) | 0円 | KINTOは完全0円スタート |
| 月々の車両支払 | 約135,000円 | 月額 約80,000円 | KINTOの方が月々のキャッシュアウトは圧倒的に少ない |
| 自動車税(3年分) | 153,000円 | 0円(月額に含む) | 毎年5月の納税通知書が来ない |
| 任意保険(3年分) | 約750,000円(年25万) | 0円(月額に含む) | ここが決定的な差 |
| 車検・メンテ | 約100,000円 | 0円(月額に含む) | 正規ディーラーメンテ込み |
| 3年間の総支払額 | 約5,800,000円 | 約2,880,000円 | 約290万円の差 |
| 3年後の車両状況 | 自分のもの(ローン完済) | 返却(手元に残らない) | |
| 実質負担額 | 売却額次第 | 2,880,000円(確定) |
<分析(若年層・25歳)>
KINTOの圧勝と言えるシチュエーションです。
通常購入の場合、ローン返済に加え、高額な保険料と税金がのしかかり、3年間で約580万円もの現金を支払う必要があります。一方、KINTOであれば約288万円で済みます。

通常購入側が逆転するには、3年後に車両を約300万円以上で売却する必要があります。
現在の異常な相場(700万円)が続けば余裕でプラスになりますが、もしバブルが崩壊し、リセールが250万円程度に落ち込めば、KINTOの方が「お得」だったことになります。
何より、「年齢条件問わず、誰が乗っても保険料込み」というKINTOの保険制度は、若者にとって最強の盾となります。万が一事故を起こしても、月額料金は上がりませんし、修理費の免責も最大5万円で済みます。
コスト比較:45歳(20等級・ゴールド)の場合
次に、保険料が安いベテランドライバーの場合を見ます。
| 項目 | 通常購入(ローン) | KINTO(3年プラン) | 差額・備考 |
| 任意保険(3年分) | 約150,000円(年5万) | 0円(月額に含む) | 差が縮まる |
| 3年間の総支払額 | 約5,200,000円 | 約2,880,000円 | 約230万円の差 |
<分析(中年層・45歳)>
保険料のメリットが薄れるため、通常購入の魅力が増します。総支払額の差は約230万円。つまり、3年後のリセールバリューが230万円以上あれば、通常購入の方が「安くついた」ことになります。
ランクルの歴史的相場を鑑みれば、3年落ちのランクル70が230万円を下回ることは(事故車でない限り)考えにくいです。したがって、資金力があり、かつ長期保有やリセール狙いを前提とするベテランドライバーにとっては、KINTOは金銭的には「損」になる可能性が高いです。
結論:「所有」のリスクと「利用」の身軽さ
金銭的なシミュレーションから導き出される結論は以下の通りです。
KINTOを選ぶべき人
- 20代〜30代前半で、任意保険料が高い人。
- まとまった頭金を出したくない、手元の現金を温存したい人。
- 3〜5年スパンでライフスタイルが変わる(結婚、出産、転勤など)可能性がある人。
- 市場価格の暴落リスクを負いたくない人。
- 何よりも「今すぐ」ランクル70に乗りたい人。
購入を選ぶべき人
- 40代以上で、任意保険の等級が高い(20等級)人。
- リセールバリューの高さを信じ、資産として車を持ちたい人。
- 10年、20年と長く乗り続け、自分の相棒として育て上げたい人。
- リフトアップやバンパー交換など、大胆なカスタムを楽しみたい人。

「若者は迷わずKINTOを選べ。オジサンはキャッシュか低金利ローンで買って寝かせておけ」というのが、最も合理的で残酷な真実です。
新型ランクル70(GDJ76)のスペック徹底解剖
ここからは、実際に手元に届く新型ランクル70の中身について、技術的な観点から深掘りします。単なる「懐古趣味」の車だと思っていると、その進化に驚かされることになります。
心臓部:1GD-FTVディーゼルエンジンの実力
今回の再再販における最大の技術的トピックは、エンジンです。2014年の再販モデルが搭載していた「4.0L V6ガソリン(1GR-FE)」から、「2.8L 直列4気筒クリーンディーゼルターボ(1GD-FTV)」へと換装されました。
この変更には、ランクルファンの中でも賛否両論がありました。「V6の大排気量感が失われた」「ディーゼルの振動が心配」という声です。しかし、スペックを詳細に比較すると、新型の優位性が浮き彫りになります。
| エンジン | 1GD-FTV(新型・ディーゼル) | 1GR-FE(2014年再販・ガソリン) |
| 排気量 | 2,755cc | 3,955cc |
| 最高出力 | 204PS (150kW) / 3000-3400rpm | 231PS (170kW) / 5200rpm |
| 最大トルク | 500Nm (51.0kgf・m) / 1600-2800rpm | 360Nm (36.7kgf・m) / 3800rpm |
| 過給機 | 可変ノズル式ターボ | 自然吸気(NA) |
| 燃料 | 軽油 | ハイオクガソリン |
| WLTC燃費 | 10.1 km/L | 6.6 km/L(JC08換算推計) |
<徹底解説>
注目すべきは「最大トルク」です。新型は500Nmという強大なトルクを、わずか1600回転という低回転域から発揮します。これは旧型ガソリン車の約1.4倍の数値です。
オフロード走行や、重い荷物を積んでの坂道発進において、重要なのは馬力(PS)ではなくトルク(Nm)です。アクセルを軽く踏み込むだけで、2.3トンの巨体が軽々と前に押し出される感覚は、まさに「重機」のそれです。
また、燃料がハイオクから軽油になったことで、燃料単価がリッターあたり約30〜40円安くなり、さらに燃費もリッター6km台から10km台へと劇的に向上しました。これにより、1kmあたりの燃料コスト(走行コスト)は半分近くまで圧縮されています。これは「毎日乗れるランクル」としての現実性を大きく高める進化です。
トランスミッション:6速ATの採用とその意味
もう一つの大きな変更点は、トランスミッションが5速MTから6速AT(6 Super ECT)のみとなったことです。
「ランクル70=マニュアル」という図式を信奉するファンからは嘆きの声も上がりましたが、このAT化は現代の市場ニーズに適合させるための必然的な選択でした。
採用された「6 Super ECT」は、ランドクルーザープラド(150系)などで長年の実績がある、極めて信頼性の高いユニットです。「フレックスロックアップ」制御により、トルコン特有の滑り感を極力抑え、ダイレクトな駆動力伝達を実現しています。

オフロード走行の観点からも、実はATには大きなメリットがあります。
岩場などを極低速で這うように進む「クローリング走行」において、MT車は半クラッチの操作技術が求められ、クラッチ板の焼損リスクやエンストのリスクが常に伴います。しかし、AT車であればトルクコンバーターの増幅作用を使い、エンストの恐怖なしに、ブレーキペダルの操作だけでジワジワと進むことができます。
「誰でも、どんな場所へも行けて、生きて帰ってこられる」。ランクルの開発思想である「信頼性・耐久性・悪路走破性」を、より多くのドライバーに提供するという意味で、AT化は正当な進化と言えます。
変わらない強さ:ラダーフレームと足回り
エンジンやミッションが刷新されても、ランクル70の魂である「ラダーフレーム構造」は一切妥協されていません。
現代の乗用車やクロスオーバーSUV(ハリアーやRAV4など)は、ボディとフレームが一体化した「モノコック構造」を採用しています。これは軽量で乗り心地が良い反面、激しい衝撃を受けるとボディ全体が歪み、走行不能になるリスクがあります。
対してランクル70は、頑丈な鋼鉄製のハシゴ型フレームの上に、ボディがちょこんと載っている構造です。岩にヒットしても、フレームさえ無事ならボディがボコボコになろうとも走り続けることができます。
サスペンション形式も伝統を継承しています。
- フロント:コイルスプリング(リジッドアクスル)
- リア:リーフスプリング(リジッドアクスル)
特にリアの「リーフスプリング(板バネ)」は、トラックと同じ構造であり、重い荷物を積載しても尻下がりになりにくく、耐久性が抜群に高いのが特徴です。

2023年モデルでは、オンロードでの快適性を少しでも向上させるためにサスペンションのチューニングが見直されていますが、それでも乗り心地は「トラック」に近いです。
段差ではドスンという突き上げがあり、カーブではグラリとロールします。しかし、この「不便さ」こそが、本物の道具を使っているという実感(ロマン)に繋がるのです。
安全装備のアップデート:Toyota Safety Sense
見た目は昭和の車ですが、中身は令和の基準でアップデートされています。「Toyota Safety Sense(第2世代相当)」が標準装備されました。
- プリクラッシュセーフティ:歩行者(昼夜)や自転車(昼)を検知し、衝突回避を支援。
- レーンディパーチャーアラート:車線逸脱を警報(※ハンドル支援はありません)。
- オートマチックハイビーム:対向車を検知してロー/ハイを自動切り替え。
- ロードサインアシスト:標識を読み取りディスプレイに表示。
さらに、VSC(横滑り防止装置)やTRC(トラクションコントロール)、HAC(ヒルスタートアシストコントロール)、DAC(ダウンヒルアシストコントロール)といった電子制御デバイスもフル装備されました。
かつてのランクル70は、雨の日のカーブや雪道では後輪が滑りやすく、ドライバーの腕が試される車でしたが、新型は電子制御が介入して挙動を安定させてくれます。

「電子制御なんてランクルらしくない」という声もありますが、公道を安全に移動するためには不可欠な装備であり、家族を乗せるユーザーにとっては大きな安心材料となります。
オーナーが直面するランクル70の「維持管理」のリアル
ここからは、カタログには書かれていない、オーナーになって初めて気づく「面倒な現実」について暴露します。
実燃費の真実:カタログ値は達成できるのか?
カタログ燃費(WLTCモード)は10.1km/Lですが、実燃費はどうでしょうか。オーナーの実走行データやe燃費等の情報を統合すると、以下のような傾向が見えてきます。
| 走行シーン | 実燃費目安 | 特徴・要因 |
| 市街地・渋滞路 | 8.0 km/L 前後 | 2.3トンの重量を発進させるため、燃料を食う。ストップ&ゴーに弱い。 |
| 郊外・バイパス | 10.5〜12.0 km/L | 信号が少なく60km/h巡航ができれば、カタログ値を超えることも。 |
| 高速道路 | 11.0〜13.0 km/L | 空気抵抗の塊のような形状だが、100km/h以下で巡航すれば伸びる。 |
<航続距離の威力>
ランクル70の燃料タンク容量は130リットルという規格外の大きさです。
実燃費が10km/Lだとしても、1回の給油で1,300kmを走行可能です。
東京から福岡まで無給油で走破できる計算です。この圧倒的な航続距離は、ガソリンスタンドが激減している地方部や、災害時の「動くインフラ」として絶大な安心感をもたらします。ただし、満タン給油すると軽油単価150円計算でも約2万円が一度に飛んでいきます。「給油の回数は減るが、1回の支払いは痛い」という独特の感覚に慣れる必要があります。
AdBlue(尿素水)という「新たな足枷」
1GD-FTVディーゼルエンジンは、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するために「尿素SCRシステム」を採用しています。そのため、燃料(軽油)とは別に「AdBlue(アドブルー)」という尿素水を定期的に補充する義務が生じます。
- AdBlueタンク容量:20.0リットル
- 消費量:走行状況によるが、概ね500km〜1,000km走行で1リットル消費。
- 補充サイクル:約10,000km〜15,000km走行ごとに満タン補充が必要。
取り回しと快適性:覚悟が必要なポイント
ランクル70は、現代の快適なSUV(ハリアーやランクル250)とは根本的に異なる乗り物です。以下の点には明確な「覚悟」が必要です。
- 最小回転半径 6.3m:
これは絶望的に小回りが利きません。
一般的なミニバンやSUVでも5.5m〜5.7m程度です。6.3mとなると、片側1車線の道路でのUターンはまず不可能です。スーパーの駐車場でも、一度で枠に入れるのは至難の業で、何度も切り返しが必要になります。 - 静粛性と乗り心地:
ディーゼルエンジンのガラガラ音や振動は、車内に明確に入ってきます。遮音材は追加されていますが、乗用車レベルではありません。また、リアサスペンションが板バネであるため、後席の乗り心地は跳ねます。家族(特に車に興味のないパートナーや子供)を乗せる場合は、事前の試乗と「説得」が不可欠です。
ライバル車との比較:なぜ今「70」なのか?
市場には他にも魅力的な本格クロカンが存在します。それらと比較して、あえて不便なランクル70を選ぶ理由はどこにあるのでしょうか。
vs ランドクルーザー250(プラド後継)
- 250の強み:最新のGA-Fプラットフォームによる圧倒的な剛性と快適性。ハイブリッド設定(一部)や、電動パワステ、SDM(スタビライザー解除機構)などの最新技術満載。内装も豪華。
- 70の比較:70は「アナログ」です。全幅が1,870mmと、250(1,980mm)に比べて10cm以上狭いため、日本の狭い林道や市街地では70の方が扱いやすい側面があります。
- 結論:快適に移動し、たまにオフロードで遊びたいなら間違いなく250です。70は「車を操っている感覚」や「機械としての信頼感」に重きを置く玄人向けです。
vs ジープ ラングラー (Jeep Wrangler)
- ラングラーの強み:屋根やドアが外せる圧倒的な開放感。ルビコンモデルの悪路走破性は世界最強クラス。デザインのアイコン性。
- 70の比較:信頼性と維持費で70が勝ります。ラングラー(特に輸入車)は部品代や整備費が高額になりがちですが、70は「世界のトヨタ」製であり、部品供給や整備性は抜群です。また、ラングラーは現在ガソリンエンジンが主流(燃費が悪い)ですが、70は経済的なディーゼルです。
- 結論:ファッションや非日常の遊びを重視するならラングラー。仕事道具として、あるいは長期的なパートナーとしての実用性を重視するなら70です。
8. よくある質問
最後に、契約前に解消しておくべき疑問点をQ&A形式でまとめます。
Q1. KINTOで契約した後、気に入ったら買い取ることはできますか?
A1. 絶対にできません。
これこそがKINTO最大の「罠」であり「仕様」です。契約満了時は、返却して終了するか、新しい車に乗り換えるかの二択です。どんなに愛着が湧いても、自分のものにはなりません。「愛車」ではなく「相棒をレンタルしている」という割り切りが必要です。
Q2. カスタムはどこまで許されますか?
A2. 「原状回復できる範囲」が鉄則です。
車体に穴を開ける、配線を切断して加工するようなカスタムはNGです。ただし、モデリスタなどのディーラーオプションは契約時に組み込むことが可能です。また、タイヤやホイールを社外品に交換し、返却時に純正に戻すことは(保管場所さえあれば)グレーゾーンですが実質可能です。リフトアップ等の構造変更を伴う改造は一発アウトです。
Q3. 納期が早まることはありますか?
A3. あります。
KINTOのWEBサイトには「即納車(解約車や在庫車)」が出ることもあります。また、生産状況が改善されれば、予定より1ヶ月早く納車されたという報告もSNS等で散見されます。逆に、工場の稼働停止等で遅れるリスクもゼロではありませんが、通常の注文より優先される傾向は変わりません。
Q4. AdBlueはどこで買えますか?
A4. ガソリンスタンドやカー用品店、ネット通販で購入可能です。
ガソリンスタンドでは、給油機のようなノズルで入れてくれる店舗もあります。通販で10Lや20Lの箱買いをするのが最も安上がりですが、保管期限(高温下では劣化する)があるため注意が必要です。KINTOユーザーなら、メンテに含まれるのでディーラー任せにするのが一番楽です。
結論:不条理な市場に対する「賢い」反逆
ランドクルーザー70は、単なる移動手段を超えた、人生を豊かにする「体験」そのものです。しかし、現在の市場は投機マネーに汚染され、純粋なファンが締め出される異常事態にあります。
800万円という不当なプレミア価格を支払って中古車を買うことは、転売ヤーを喜ばせ、自身は暴落リスクを背負うという、二重の意味で「敗北」を意味します。
対してKINTOという選択肢は、「所有権」という拘りを捨てる代わりに、「適正価格」と「時間(即納)」、そして「安心(保証・メンテ込み)」を手に入れるという、極めて現代的かつ合理的な戦略です。
「いつか自分のものにしたい」という夢は否定しません。しかし、そのために何年も待つ間に、あなた自身の年齢や環境が変わってしまうかもしれません。まずはKINTOを使って「今すぐ」ランクル70のある生活を始め、3年〜5年じっくりと味わい尽くす。そして市場が正常化した頃に、本当に一生添い遂げたいと思えば、その時に程度の良い中古車や新車(もし買えるようになっていれば)を買い直せば良いのです。
今の市場環境において、KINTOを選ぶことは決して妥協ではありません。それは、狂ったシステムに対する最も賢明な「ハック」なのです。

